家具の歴史
貴方の部屋にもある、ソファ等の家具、家具と人間生活には歴史や文化を切り離して考えることはできません。ソファ専門のヒットインテリアやテーブルなど普段使っている家具や収納がない生活は想像できませんよね。
正直、歴史的なソファはなくても生活はできますが、ソファの快適さを1度味わってしまうともうなくてはならないもの。最近ではソファベッドを利用する人も多いので、ソファベッドがなくては睡眠の場所がなくなることとなる。我々は太古の昔から家具にあらゆることを追求し、その時々に応じて家具を作り出しているのです。単なる「家具」ではなく権威を象徴するものから快適な環境を追求したものまで、「家具」のもつ意味には、様々な抽象的な意味が込められていて非常に深い歴史があるのだ
例えば王座やチェアマンなどという言葉があるように、大臣の椅子には権威が追求されていること。その名の通りですが、権威を持つ者だけが座ることを許されたといったこともあり、歴史でいう16世紀後半から17世紀ごろにかけて、家具に気持ちの良さを求めるという思想が人々の心に芽生え始めました。椅子を例に取ると、この時代までの椅子は堅い材質むき出しのものが大半を占めていたのですが、クッション突きのものから革張りのものなど座り心地の良いものが登場している。
さらには、寝椅子の一種であるデイベッドや貴婦人のスカートを気遣いからのファーシンゲール・チェアなどもこの時代に作られる。
家具に影響を与えた気候風土
家具に影響を及ぼすものの一つに気候風土が関連しているでしょう。北ヨーロッパや中部ヨーロッパの寒い国では、暖房設備も少なく、過ごし辛いのです。例えば天蓋付きのベッドは、優雅で豪華な見栄えだけではなく、人々の生活と密接な関係が。
人々は冬の寒さをしのぐためにベッドの周囲にカーテンをかけ、少しでも保温効果が上がるように努め、なんとか寒さから逃れ安眠を手に入れたいという欲求を実現し、湿気の多いイギリスなどでは、スパイス(香辛料)を長持ちさせるために、暖炉の上あたりにスパイスを入れる収納を考え出している。当時の工夫のあとを感じ取ることができてすごい。ソファは種類が多いので、そんな工夫を感じ取れる、自分好みのソファがきっとあるはずです。
歴史的に有名な英国でピューリタン革命が起き、厳しい生活状況を反映して、飾り気のない家具となるのです。逆に、王政復古の時代にはその反動からか華麗なカロリアン様式へと変化します。アメリカのシェーカー教徒たちは、簡素な生活をモットーとして、機能的で素朴な美しさをもつ家具を使っている。ナポレオンの好んだ家具は荘厳で豪華な物が多いといいます。
このように家具は、それぞれの時代の社会的背景を反省しており切っても切り離せない歴史があるのです。 現代では人間工学の理念に基づいて合理的な家具が作られています。私たちの周りには多くの家具が置かれていますが、それらの一つ一つに時代と民族という関係が織り込まれ、文化の一片を担っているのです。
実際に使われている家具だけではなく、歴史的な古代ギリシャの壺の絵の中や、中世ミニアチュールの一こまに、木版画や油絵の中に、古くから家具は堂々と生活の中に息づいていることが伺えます。普段何気なく開いた小説の中や名画集の中にも家具はありますし、海外旅行行った時、ふと立ち寄った美術館に並んでいるものもあることでしょう。家具はその時代時代を生きる人類の歴史そのものでもあるのです。